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zoom RSS 【No.424】 リレーおぴにおん・旅のチカラK 詩を書く刺激

<<   作成日時 : 2018/07/24 09:09   >>

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 庭の木々に何匹いるのだろうか。蝉の元気な
鳴き声が夏の盛りを一段と体感させる。酷暑の
日々が続くが、この高温を、気象庁は「一つの
災害」とまで言明した。こんな時にも旅をしている
のだろうか。今朝の朝日新聞連載の「リレー
おぴにおん・旅のチカラK」には、月に20日は旅
しているという詩人が登場している。

(リレーおぴにおん)旅のチカラ:12 詩を書く刺激、全てまぶしい 三角みづ紀さん

2018年7月24日
画像

三角みづ紀さん


 旅行者として初めての土地に行くのは、生まれたての無垢(むく)な赤ん坊になるようなものです。すべてがまぶしい。

 私は二十歳の時に膠原(こうげん)病の全身性エリテマトーデスを発症し、大学を休学して奄美大島で1年半療養しました。行動範囲は狭く、自分の内面ばかりを見ていました。ずっと詩を書き、雑誌に投稿する日々でした。

 あのとき1回生まれ変わり、そこからまた新しく年を重ねているという気持ちです。もう一度、生まれたばかりの目で世界を見る体験がしたくて、30歳手前ごろから旅に出て詩を書くようになりました。

 旅に出ると、五感が大きく開くのが分かります。旅の間は眠りが短く浅くなり、いろんなものに感動しやすく、視界がクリアになります。もっと知りたいという気持ちが、物を書くための刺激になるのです。

 2012年には、1日1編ずつ詩を書きながら1カ月間ヨーロッパ3カ国を旅して、「隣人のいない部屋」(萩原朔太郎賞)という本にまとめました。移動中にノートに下書きをし、それを原稿用紙に清書し、最後にノートパソコンに打ち込みました。持病があるし、どうなるかわからない覚悟だったのです。実際に旅の間に高熱を出し、帰国してから悪化しました。

 今は多い時で月20日ほど旅に出ています。旅行中は気が高ぶりますが、家に帰るとぐったりして、夢をみているようにウトウトしています。だから旅をしている間に、旅には関係ない仕事もどんどん進めておきます。

 せっかく旅をしているのに、なんでこんなに冷静な視点で、詩を書くためだけに見て、感じているんだろう? そういう痛みとも常に向きあっています。「トレイン#2214」という詩には、葛藤をそのまま書きました。

 「移動をつづける/町から町へ、町から島へ/そうやって徐々に/目的だけになって/する ことを/する ために/風景がしんで黒い額縁に飾る/ひどく疲れているのかもしれない/もうすぐサンタルチア駅だ」(抜粋)

 それでも、私は目的のある旅が好きです。たまに何の目的もない休暇に行っても、何かをしたい気持ちが出てきてしまい、あまり休まりませんから。

 旅を始めたのは、詩人の管啓次郎さん(次回登場予定)から、世界中を旅している話を聞いたことがきっかけでした。管さんのように少ない荷物で旅に出たいと憧れていましたが、贈り物やお土産物で荷物はどんどん多くなるばかり。今は、それも何も知らない旅行者らしくていいやと思っています。旅行者として、初めての土地を持ち帰りたいのです。(聞き手・高重治香)

     *

 みすみみづき 詩人 1981年生まれ。詩集に「オウバアキル」(中原中也賞)、ベルリンに1カ月滞在して書いた「よいひかり」ほか。昨年から札幌市在住。

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